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実家を売却する手順を解説!9つのステップと後悔しないためのポイント

空き家になった実家の売却するとき、「どこから手をつけたら良いのか?」「売却をどのように進めれば良いか」悩んでしまいますよね。

実家を売却するには9つの手順があり、売却完了するまでの期間は半年〜1年ほどかかります。

▼実家を売却する9つのステップ

  1. 【手順1】実家を売却するための準備を行う
  2. 【手順2】不動産会社に査定を依頼する
  3. 【手順3】不動産会社と媒介契約を結ぶ
  4. 【手順4】売却活動のスタート
  5. 【手順5】内覧の対応をする
  6. 【手順6】購入希望者と条件の交渉を行う
  7. 【手順7】買主と売買契約を結ぶ
  8. 【手順8】決済・引き渡しを行う
  9. 【手順9】確定申告を行う

期間も含めて見てみましょう。

以上の9つの手順をこれから本記事で詳しくご説明いたします。

あらかじめ手順を把握しておくことで、実家の売却をスムーズに行うことができますので、参考にしながら売却の準備を進めることをおすすめします。

また、実家の売却をするに当たり、直面する以下の疑問についても解説していきます。

◎実家を売る際に後悔しないポイント
◎遠方の実家を売却する方法
◎実家を売却するためにかかる費用や税金

本記事をお読みいただくことで、実家を売却するために必要な知識が身につけられますのでぜひ最後までお付き合いください。では、さっそく見て行きましょう。

目次

1.実家売却手順①:実家を売却するための準備を行う

手順1は、「実家を売却するための準備を行う」です。

実家を売却するためには、以下の3つの準備を行っておくと安心です。

  1. 隣家との境界線を確定させる
  2. 相続登記(名義変更)を行う
  3. 実家を片付ける(遺品整理)

それぞれ詳しく見て行きましょう。

1-1.隣家との境界線を確定させる

実家の売却に当たり直面しやすいトラブルのひとつが境界問題です

古い実家は特に隣家との境界があいまいになっていることが多いため、境界線を明確にする必要があります。

築年数が経っている実家の場合は、正しい情報で登記されていなかったり、境界が確定していないという土地もあるため、まずは確認をするところから始めましょう。

境界線を確定させるためには、土地家屋調査士に依頼し、隣家との立会いのもと、どこまでが境界線なのか双方でチェックしながら行います。

厳密な作業になることから1〜3ヵ月程度の期間を必要とすることもあります。

1-2.相続登記(名義変更)を行う

相続登記とは、不動産の所有者(親)の名義を被相続人(あなた)名義に変更することです。

相続登記は義務ではなく、相続登記をしていなかったとしても罰則などはありません。しかし、実家を売却する際は必要不可欠となりますので、必ず名義の変更を行うようにしましょう。

相続登記を行っていないと、不動産の権利関係におけるトラブルが発生した場合に「自分が所有している」ということが主張できなくなってしまいます。

このようなトラブルを防ぎ、所有者を明確にするためにも、相続登記を行うことを強くおすすめします。

▼詳しくは法務局のHPに記載されていますので、こちらをご確認ください。
参考サイト:法務局:不動産の所有者が亡くなった

1-2-1.相続登記は司法書士に依頼するのがおすすめ

相続登記は自力でもできますが、登記に必要な書類が多岐にわたるため、かなりの労力が必要となります。安全かつスムーズに手続きを行うために、相続登記は司法書士に依頼することをおすすめします。

費用は、不動産の数や評価額、地域により変わりますが5万円〜10万円ほどです。まずは、自宅の近くに事務所をかまえる司法書士に相談してみるとよいでしょう。

1-3.実家を片付ける(遺品整理)

実家を売却するためには、売却活動ができるように荷物を全て空にして片付ける必要があります。

片付けを行うには主に下記の3つの方法があります。

▼実家を片付ける3つの方法

  • 自力で片付ける
  • 不用品回収業者に依頼する
  • 遺品整理業者に依頼する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-3-1.自力で片付ける

自力で片付けすることがもっとも費用を抑えられる方法です。

粗大ゴミの処分は、自治体での回収を利用することで1つ数百円〜数千円で処分ができます。エアコンやテレビ、冷蔵庫などの家電の処分は「家電リサイクル法」によりリサイクルが義務づけられているため、購入した電器店や家電量販店にリサイクル費用を支払い、引き取ってもらいましょう。

自力で片付けるメリット・デメリットは以下の通りです。

▼自力で実家を片付けるメリット・デメリット

【メリット】
費用を抑えることができる

【デメリット】
・費やす時間や労力が大きい

遠方に住んでいたり、仕事が忙しいなど、自力で片付けが難しい場合は業者に依頼する手段があります。次に、不用品回収業者に依頼するパターンを見ていきましょう。

1-3-2.不用品回収業者に依頼する

不用品を一気に回収して欲しいという場合は、不用品回収業者の利用がおすすめです。

中には買取可能としている業者もいるため、まだ使えるテレビや冷蔵庫などの家電やテーブルや椅子などの家具は買い取ってもらい現金化することも可能です。

多くの業者は、単品回収と定額パックの2パターンの回数方法があります。定額パックは定額を支払えば処分品をトラックに積み放題できるため、大量の不用品がある場合はおすすめです。

不用品回収業者には以下のような特徴があります。

▼不用品回収業者の特徴

  • 作業対象=処分品と認識
  • 一般的に物の扱いが雑になる傾向がある
  • 不用品の買取を行ってくれる業者もある
  • 不用品の量、使用するトラックによって料金は異なる
  • 定額パック相場は1万円〜程度

費用は、処分品の種類や量にもよりますが単品は3,000円〜、定額パックは1万円〜程度です。

また、不用品回収業者の中には、無料で回収すると言いながら後から高額な請求をされたり、何かと理由をつけ追加料金を請求されたりとトラブルになるケースも少なくありません。

依頼前には見積もりを取るなどして、信頼できる業者を見極めてから依頼するようにしましょう。

次に、遺品整理業者に依頼する場合について見ていきましょう。

1-3-3.遺品整理業者に依頼する

遺品整理業者の利用は、亡くなった人の持ち物を整理し、キレイに清掃までして欲しいという方におすすめです。

思い出が詰まっている実家の荷物を整理できない、実家が遠方で整理に行く時間がないなど、さまざまな理由で遺品の整理が難しい場合、遺品整理業者にお願いすることで身体的、精神的負担まで大きく軽減できます。

貴重品や大事な書類などを細かく整理・分別し、思い出の品や仏壇は供養してお焚き上げまで行ってもらえます。また、オプションでハウスクリーニングや消臭作業などのサービスも利用も可能です。

遺品整理業者の特徴を見ていきましょう。

▼遺品整理業者の特徴

  • 作業対象=遺品と認識
  • 一般的に物の扱いが丁寧
  • 遺品の供養・お焚き上げをしてもらえる
  • ハウスクリーニングを行ってもらえる
  • 費用は家の間取りにより異なる
  • 費用相場は4LDK38万円〜42万円程度

大切な遺品や貴重品を扱ってもらうことになりますので、トラブルを防ぐためにも遺品整理業者選びは慎重に行う必要があります。不用品回収業者選び同様、事前に見積もりを取り、信頼できる業者を見極めてから依頼しましょう。

実家の片付けや遺品整理が完了したら、いよいよ売却に向けての手順です。

2.実家売却手順②:不動産会社に査定を依頼する

手順2は、「不動産会社に査定を依頼する」です。

実家を売却するための準備が整ったら、不動産会社に査定を依頼します。査定は一社に絞らずに、複数の会社に査定を依頼することをおすすめします。

2-1.適正価格を知るために、一括査定がおすすめ

実家を売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼して相場を知るところから始めましょう。

しかし、何社も直接訪問して査定してもらうのは大変な労力ですよね。

そこでおすすめしたいのが不動産一括査定サイトを活用する方法です。ご自宅のパソコンやスマホから実家の情報を入力するだけで、複数の会社から効率的に査定を取り寄せることができます。

ここで、一括査定サイトを活用するメリットをご紹介します。

▼一括査定サイト活用のメリット

  • 無料で手間をかけずに、ネットから申し込みできる
  • 自分で査定したい不動産会社を探さなくても無料でできる
  • 1回の記入で、同時に複数の会社に査定依頼ができる
  • 複数の査定結果が届くので、相場を把握しやすい
  • 時間をかけずに複数会社の査定を同時進行できる

以上のようなメリットで、信頼できる不動産会社を見つけましょう。当社でも「複数いっかつ査定」を行なっておりますので、ぜひご利用ください。

▼複数いっかつ査定の流れ

次に、自分で相場を調べる方法です。

2-2.自分でも相場を調べておけば安心

不動産会社に査定を依頼する前に、自分でも相場を調べておくと安心です。

相場を知っておくことで資金計画が立てやすくなる上、不動産会社の査定結果を鵜呑みにすることなく、最良な不動産会社を選べるようになります。

おすすめの調べ方は、近隣エリアの過去の取引価格を調べて目安にする方法です。

国土交通省がまとめた「不動産取引価格情報検索」を利用すると便利ですよ。

こちらのサイトから以下の3ステップを踏めば実家の相場を確認できます。

①時期・種類・地域を選び検索
  ▼
②見たいエリアの取引価格を一覧で確認
  ▼
③実勢価格から売却する実家の相場を予測する

さらに実家を売却するため詳しく相場について調べたい方はこちらの記事がおすすめです。
家の売却相場はいくら?最新の相場動向と自分の家の相場を調べる方法
土地売却の相場の調べ方!いくらで売れるか自分で調べる方法と注意点
土地買取で売却する時の相場は市場価格の6~8割!最新相場の調べ方

3.実家売却手順③:不動産会社と媒介契約を結ぶ

手順3は、「不動産会社と媒介契約を結ぶ」です。

不動産売買に仲介をお願いする際に結ぶ契約を「媒介契約」と言います。査定の結果に納得でき、依頼したい不動産会社が見つかったら、正式に不動産会社と媒介契約を結ぶことになります。

注意すべき点は、媒介契約の種類です。

3-1.媒介契約には3種類ある

媒介契約には3種類があり、売主はこの中から1つ選択しなければなりません。

▼媒介契約の種類

  1. 一般媒介契約
  2. 専任媒介契約
  3. 専属専任媒介契約

媒介契約の選択は、売却をスムーズに進められるか、高値で売却できるかを左右する要素のひとつです。そのため、ご自身の希望や物件の特徴に合った媒介契約を選ぶことが大切です

そこで、それぞれの媒介契約の特徴とメリット・デメリットをご紹介します。

3-2.3種類の媒介契約の特徴とメリット・デメリット

媒介契約の選択は、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較し、売却戦略やご自身の希望などを十分考慮した上で決めていきましょう。

3つの媒介契約の特徴は以下のとおりです。

契約可能な会社数

自分で買主を見つけて直接取引

専任媒介契約

1社

専属専任媒介契約

1社

×

一般媒介契約

複数者と契約可能

わかりやすい特徴としては、自由度が高がもっとも高いのが一般媒介契約、制約が多いのが専属専任媒介契約です。

この特徴を踏まえた上で、3種類の媒介契約のメリットを見ていきましょう。

▼3種類の媒介契約のメリット

メリット

専任媒介契約

  • 不動産会社に積極的な販売活動を行ってもらえる
  • 売主の売却活動の負担が少ない

専属専任媒介契約

  • 不動産会社に積極的な販売活動を行ってもらえる
  • スピード感があり、比較的早く売れやすい

一般媒介契約

  • 人気物件の場合はより良い条件で売却できる可能性がある
  • 不動産選びでの失敗リスクが低い

次に、3種類の媒介契約のデメリットを見てみましょう。

▼3種類の媒介契約のデメリット

デメリット

専任媒介契約

  • 不動産会社の力量に左右されやすい

(不動産会社選びが重要)

専属専任媒介契約

  • 自分で購入希望者を見つけたとしても、直接取引はできない
  • 不動産会社の力量に左右されやすい

(不動産会社選びが重要)

一般媒介契約

  • 人気物件以外は販売活動に注力してもらえない可能性がある
  • 販売状況の把握がしにくく、確認の手間がかかる

媒介契約は、メリット・デメリットを考慮し、それぞれの物件の特徴や売却戦略に合わせて選びましょう。

もし、どの媒介契約にすべきか迷ってしまう場合は、バランスの良い「専任媒介契約」がおすすめします。不動産会社にしっかり販売活動を行ってもらえる上、自分で見つけた買い手との直接契約(自己発見取引契約)も認められているため、不動産会社と連携しながらスムーズに販売活動を行えます。

媒介契約についてさらに詳細を知りたい方は、以下の記事で詳しく解説していますのでこちらをご覧ください。
➡「媒介契約とは?3種類の媒介契約の違いと選び方をわかりやすく解説

不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動がスタートします。

4.実家売却手順④:売却活動の開始

手順4は、「売却活動の開始」です。

媒介契約を結ぶと、不動産会社が売却活動を開始します。売却活動は、基本的に不動産会社主導で進みますが、どのように売却を進めていきたいか自分の希望や要望を明確に伝えることが大切です。

4-1.不動産会社へ要望を明確に伝える

具体的な販売戦略を立てるのは不動産会社ですが、これからどのように売却を進めたいのか不動産会社に自分の要望を明確に伝えるようにしましょう。

例えば、以下のような点を整理しておくと不動産会社も要望を汲み取りやすくなります。事前に整理をしてから伝えることをおすすめします。

▼実家を売却するために整理しておくべき要望

  • 売り出し価格(いくらで売りたいか)
  • 売却時期(いつまでに売りたいか・いつ以降に売りたいか)
  • 何を優先させるのか(早く売りたい/高く売りたいなど)
  • 販促内容の希望(折込チラシやインターネット広告を希望する/しない)
  • 売却活動で積極的にやってほしいこと・やってほしくないこと

中でも、売り出し価格は慎重に検討した上で適正な価格を設定するようにしましょう。

低く設定すればスムーズに買主が見つかりますが、安く売却して損をしてしまいますし、一方で、高く設定すれば、なかなか買主が見つからず時間がかかったり、結局値下げをして時間を無駄にしてしまうこともあります。

そのため、売り出し価格は複数の査定をもとに相場を把握し、不動産会社と相談の上、適正な価格設定にする必要があります。

売り出し価格が決定したら、本格的な売却活動がスタートです。

4-2.不動産会社が広告活動・情報発信などの売却活動を行う

土地の売り出し価格が決定すると、不動産会社が物件の情報をネットやチラシに掲載したり、SUUMOなどのポータルサイトにて情報発信を行い購入希望者を探します。

不動産会社からは、決まったタイミングで販売状況の報告が来ますのでしっかり確認を行い、状況によっては戦略を変えるなどしていきましょう。

※一般媒介契約の場合は、不動産会社の報告義務がないため自ら頻繁に確認を入れる必要があります。

不動産会社の売却活動により内覧希望者が現れたら、内覧の対応を行います。

5.【手順5】内覧の対応をする

次の手順は、「内覧の対応をする」です。

ここで好印象を与えることがスムーズな売却へと繋がりますので、内覧を行う前に準備はしっかりと行っておきましょう。

5-1.内覧前に準備をしておく

家を高く・早く売るためには、内覧で良い印象を持ってもらう必要があります。

トイレやお風呂、キッチンのすみずみまでキレイで大切に扱われてきたということが伝われば、好印象となり、好条件での売却の可能性が高まります。以下のお掃除のポイントを参考に、準備を進めましょう。

▼内覧前の清掃ポイント

場所

ポイント

玄関

砂・ホコリはしっかり掃き出し、床は水拭きをする

リビング・ダイニング

モノがある場合は整理整頓し、広い印象を与える

キッチン

コンロやシンクは磨き上げる、ニオイはしっかり消臭しておく

トイレ

ニオイ、水垢、カビなどしっかり清掃

浴室・洗面所

カビ・水垢・鏡の曇りを清掃。全体が乾いた状態になっているようにする

窓ガラス

ガラス・網戸をしっかり拭き、日光がよく入るようにする

ベランダ・庭

ベランダはしっかり掃き掃除をし、庭は雑草を苅る

5-2.内覧会を行う

内覧希望者が現れたら、売主(あなた)と不動産会社の立会いのもと、希望のスケジュールに合わせて内覧会を行います。

内覧時は基本的に不動産会社スタッフが対応しますが、内覧者により良い印象を持ってもらうため物件をPRできるポイントを準備しておくと、会話が弾み、良い印象を与えられるのでおすすめです。

▼物件をPRできるポイント

  • 日当たり、風通しなど、実際に住んでみてわかる物件の長所
  • 周辺環境(学校、スーパー、地域の雰囲気など)
  • 近隣住民との関わり、交通の利便性 など

購入希望者からの質問をされたら、なるべくネガティブな印象を与えないように事前に質問回答の準備をしておくと安心です。

内覧で物件を気に入ってもらえたら、次は購入希望者との条件の交渉に進みます。

6.【手順6】購入希望者と条件の交渉を行う

実家を却するための手順6は、「購入希望者との条件交渉」です。

内覧を経て「購入したい」という方が現れたら、条件の交渉を行います。

6-1.購入希望者の条件を確認する

購入希望者が現れたら、不動産会社を通して買付証明書(購入申込書)が送られてきます。

買付証明書は、購入希望者から「正式に購入したい」という意思表示で、購入希望価格、代金の支払い条件、引き渡し希望日など、購入希望者の基本的な希望条件が記載されています。

売主(あなた)は、購入希望者が提示した条件を確認し、具体的な交渉に入るかを決めます。その後の交渉は、売主側の不動産会社と購入希望者側の不動産会社で行うのが一般的です。

6-2.不動産会社が条件の調整を行う

不動産会社は、売主と購入希望者の希望条件を確認した上で、お互いの条件を調整します。

条件の交渉は、購入希望者の条件をすべて受け入れたり、不動産会社に勧められるまま交渉をおまかせするのではなく、自分の納得がいく条件かどうかを慎重に判断しましょう。

不動産会社のアドバイスを参考に、最終的には自分で判断することが大切です。調整する条件の一例を見てみましょう。

▼調整する条件の一例

  • 売買価格
  • 手付金の額
  • 引き渡しの時期
  • 瑕疵担保責任の期限
  • 土地の実測を行うか否か
  • 建物の補修を行うか否か

契約条件の折り合いがついたら、いよいよ売買契約の締結です。

7.【手順7】買主と売買契約を締結する

手順7は、「買主と売買契約を締結する」です。

購入希望者と価格や条件面で折り合いがつけば、売買契約を締結を行います。

売買契約は、契約手続きに漏れがあると、買主や関係者に迷惑をかけてしまいますので、しっかりと準備をした上で契約に臨むことが大切です。そのためにも、売買契約の流れを把握しておくと安心です。

売買契約を締結するまでの当日の手順は以下の通りです。

▼売買契約締結の流れ

①オフィスに集合(売主・買主・不動産会社)
       ▼
②重要事項説明(不動産会社→買主)
       ▼
③売買契約書の読み合わせ
       ▼
④売買契約書へ署名・捺印
       ▼
⑤手付金の受領
       ▼
    売買契約締結完了

売買契約を結ぶ当日、契約前に必ず行われるのが重要事項説明です。売却予定の取引条件に関する重要事項が説明されるので、最終的な判断をするために内容をしっかりと確認するようにしましょう。

その後、売買契約書に売主・買主の双方が署名・捺印し、買主から手付金を授受します。この手付金の受け取りをもって、売買契約締結完了となります。

売買契約書には、売主・買主双方の権利や義務が記されています。契約後にその約束に反すると、違約金が発生することもありますので、疑問点や不明点などは不動産会社にしっかり確認をしておきましょう。

売買契約書を交わしたら、次のステップで進みます。

8.【手順8】決済・引き渡しを行う

実家を売却するための8つ目の手順は、「決済・引き渡しを行う」です。

決済・引き渡しは、売主(あなた)と買主が売買契約を締結してからおよそ1カ月の間に行われるのが一般的です。また、決済から引き渡しは、同日に行われ、およそ1時間半から2時間程度で終了します。

8-1.決済当日に必要な書類

スムーズに決済・引き渡しを行うためには、決済を行う前にしっかりと準備を行うことが大切です。

当日に必要な書類が揃っていないと、引き渡しができなくなってしまいますので注意しましょう。

▼決済当日に必要な書類

  • 本人確認書類
  • 登記済権利証(登記識別情報通知)
  • 固定資産税等納付通知書
  • 住民票実印・印鑑証明書
  • 通帳・銀行印
  • 諸費用(仲介手数料・登記費用など)
  • その他 不動産会社から指定のあった資料

不動産会社から必要な書類は事前に連絡がありますので、抜けなく丁寧に準備していきましょう。

次に、当日の流れを見てみましょう。

8-2.決済当日の流れ

決済当日は、売主(あなた)と買主、不動産会社の担当者のほか、所有移転登記手続きを行う司法書士や、買主が資金を借り入れする金融機関の担当者が立ち会いのもと行います。

当日の流れは以下の通りです。

▼決済当日の流れ

  1. 司法書士が登記関係の書類をチェック
  2. 登記の手続き
  3. 買主から手付金を除いた残金を受領する
  4. 不動産会社・司法書士へ報酬を支払う
  5. 司法書士が登記所へ行き所有権移転登記の申請を行う

無事に決済が完了し、所有権が買主に移れば、実家の売却取引は完了します。

9.【手順9】確定申告を行う

最後に、確定申告を忘れずに行いましょう。

確定申告は、実家を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合に必要です。

特例や控除適用前の「譲渡収入額ー(所得費+譲渡費用)」の計算式を行い、プラスになっていたら確定申告を行わなければいけないと判断しましょう。

9-1.確定申告は売却した翌年2/16〜3/15行う

確定申告を行うタイミングは、実家を売却した日の翌年2/16〜3/15です。

確定申告は、e-Taxを利用すれば、税務署に行かなくても自宅からインターネットを使って行えます。国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」から、画面の案内に従って金額等を入力し、申告書等を作成することもできますので、おすすめです。

初めて確定申告を行う方は、国税庁の「初めて確定申告される方へ」をご覧の上、手続きを進めましょう。

相続した実家の税金や節税についてより詳しく理解したいという方はこちらの記事をお読みください。
➡「相続した実家を売却すると税金はいくら?計算事例と節税方法を解説

確定申告を終えれば、実家の売却で行う手順は全て完了です。

10.実家を売却する上で後悔しないポイント!

生まれ育った大切な家だからこそ、「実家売却で後悔したくない」と考える人も多いでしょう。そこで、実家をより良い条件で売却するための「実家売却で後悔しないポイント」をご紹介します。

11-1.実家を売却するなら相続から3年以内に!!

実家が空き家になっているなら3年以内に売却することをおすすめします。

気持ちの整理ができずに売却の意思が固まらないなどで実家を売却できずにいるという方もいるかもしれませんが、実家を売却するなら早めに行動した方がお得です。

▼実家を相続から3年以内に売却するメリット

  1. 節税できる
  2. 維持費を削減できる
  3. 高く売れやすい

それぞれのメリットについて見ていきましょう。

11-1-1.実家を早く売却するメリット①|節税できる

実家を早く売却する一番のメリットは、譲渡所得税が安くなり節税できることです。

譲渡所得税とは、実家を売却して得た利益に対して納める税金です。

実家を相続して3年10カ月以内に実家を売却した場合、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(取得費加算の特例)」に該当し、譲渡所得税が安くなります。

ケースによって安くなる税金の額は変わりますが、特例に該当した場合と、該当しなかった場合では数百万円の差が出ることもあります。

節税については、しっかりと把握しておくことで損をせずに済みますので、より詳しく税金について知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
相続した実家を売却すると税金はいくら?計算事例と節税方法を解説

11-1-2.実家を早く売却するメリット②|維持費を削減できる

実家を早く売却するメリットの2つ目は、「維持費を削減できる」ことです。

不動産は所有しているだけで以下のような維持費がかかります。

  • 固定資産税
  • 修繕費
  • 管理委託費

固定資産税は各物件によって異なりますが、年間で平均10万円ほどかかります。例えば、空き家になった実家を3年放置しておけば、30万円の出費となってしまいます。

経年劣化による修繕費もかかる可能性がありますし、実家が遠方で管理業者に管理をしてもらっている場合は、管理委託費もかかります。

空き家にしているだけで維持費がかかっていることになるため、実家に住む予定や賃貸で貸し出す予定がないのであれば、早めに売却してしまう方が得策でしょう。

11-1-3.実家を早く売却するメリット③|高く売れやすい

実家を早く売却するメリットの3つ目は、「高く売れやすい」ことです。

不動産の価値は、時間が経てば経つほど下がってしまうため、早く売却することで、不動産の価値が高いうちに売却することができます

また、時間が経過してからいざ売却しようとした時に経年劣化による欠陥が見つれば、修繕費がかかってしまいます。劣化が進む前、早めに売却する方が高く売れやすくなるでしょう。

11-2.複数の不動産会社へ査定を依頼する

もう一点、高く・スムーズに売却するための後悔しないためのポイントは、複数の不動産会社へ査定を依頼することです。なぜかと言うと、実家の売却を成功させるためには不動産会社選びがもっとも重要と言っても過言ではないためです。

査定は、一括査定サイトの活用がおすすめです。パソコンやスマホから実家の情報を入力すれば、複数の会社より査定を取り寄せることができます。

使い方は、以下の手順で査定いただけます。

▼一括査定サイトの利用手順

①実家の物件情報を入力
  ▼
②物件のエリアに精通している不動産会社が複数社ピックアップされる
  ▼
③査定を依頼したい不動産会社を選択する(複数可)
  ▼
④選択した会社から査定額が表示される

弊社でも「複数いっかつ査定」を行なっておりますので、ぜひご利用ください。

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不安に思うことや疑問などがございましたら、「お問い合わせフォーム」からもお気軽にご相談ください。担当者が丁寧に対応させていただきます。

次に、実家を売却する上でよくある質問にお答えします。

12.実家売却の手順でよくあるQ&A

実家の売却は初めてのことばかりなので、疑問や心配ごとが沸いてきますよね。そこで、実家を売却する上でよくある質問をまとめました。

12-1.Q1.実家が遠方にある場合の売却方法は?

よくある質問の中で一番多いのが、実家が遠方にある場合の売却方法です。

不動産会社の選び方は現地に行かなければいけないタイミングなど、自宅から離れた遠方にある不動産を売却する3つのコツをご紹介します。

▼遠方にある不動産を売却するコツ

  1. 地元の不動産会社を選ぶ
  2. 現地へは最低でも3回行く必要がある
  3. 現地へ行くことが難しい場合の対処法

詳しく見ていきましょう。

12-1-1.地元の不動産会社を選ぶ

遠方にある実家を売却するときは、通常の不動産売却よりもさらに慎重な不動産会社選びが必要です。

おすすめの方法は、不動産一括査定でよく比較検討し、地元の不動産会社を選ぶことです。地域に密着しているからこそ得られるメリットは以下のとおりです。

▼地元の不動産会社を依頼するメリット

  • 地元の不動産事情に精通している
  • 地元の取引データを知り尽くし、精度の高い査定が期待できる
  • 内覧に対応してもらえる

以上のメリットに挙げられるように、地元の不動産会社にお願いすることで、地域に密着している不動産会社の強みを活かすことができ、売却活動がスムーズに進む可能性が高くなります。

12-1-2.現地へは最低3回行く必要がある

仕事などが忙しく、現地へ赴くことが難しいかもしれませんが、現地へは最低でも3回出向く必要があります。現地へ行くタイミングは、以下のとおりです。

▼遠方の実家を売却するために出向くタイミング

  1. 遺品整理など、売却するために家の中を片付けるとき
  2. 売買契約を締結するとき
  3. 決済&引き渡しをするとき

実家売却の準備と契約の手続きのタイミングは赴く必要があります。3回という数字はあくまでも最低の回数ですので、もっと多く現地へ行く必要もあることは覚悟しておきましょう。

12-1-2.現地へ行くことが難しい場合の対処法

どうしても現地にいけない場合、以下の2つ方法で不動産売却を行うことが可能です。

  1. 代理人を擁立する
  2. 持ち回り契約

「代理委任状」をもって代理人を擁立しすれば、媒介契約・売買契約・物件引き渡し・境界立会いについて代理人の立会いが可能です。

また、契約書の署名・捺印は「持ち回り契約」といった郵送でのやり取りも可能です。便利な方法ですが、買い手が不安に思うことが多いため、積極的におすすめはできません。

12-2.Q2.実家売却にかかる期間は?

実家を売却するのにかかる期間は、半年〜1年くらいを想定しておくとよいでしょう。

通常、不動産を売却するための平均期間は3ヶ月〜半年ほどですが、準備期間を含める実家の売却は、通常の売却よりも時間を要します。

スムーズな売却をするためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要となります。「複数いっかつ査定」より複数会社に査定を依頼し、比較検討した上で、最終的には担当者との相性を見て判断することをおすすめします。

12-3.Q3.実家を売却するには費用や税金はいくらかかる?

実家を売却するためには、以下の費用と税金がかかります。

▼実家売却にかかる費用・税金

費用・税金名

かかる費用

支払いの時期

仲介手数料

(売上額×3%+6万円)+消費税

売買契約時と決済後

印紙代(印紙税)

目安として1,000円〜6万円 
(※売却金額により異なる)

売買契約書の作成時

抵当権抹消登記

1,000円
(司法書士に依頼する場合1万〜3万円)

移転登記時

譲渡所得税

所得税額(短期) = 売却益 × 39.63%
所得税額(長期) = 売却益 × 20.315%

確定申告後

相続税

評価額-基礎控除額
(3000万円+600万円×相続人の数)

確定申告後

何にいくらかかるのかあらかじめ把握しておきましょう。

実家を売却するためにかかる費用や税金をさらに詳しく知るためには、こちらの記事をおすすめします。
相続した実家を売却すると税金はいくら?計算事例と節税方法を解説
【図解でよくわかる】相続した不動産の売却にかかる税金と節税になる特例・控除を解説

13.まとめ

実家を売却するには、以下の9つの手順があります。

▼実家を売却する9つのステップ

  1. 実家を売却するための準備を行う

  2. 不動産会社に査定を依頼する

  3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ

  4. 売却活動のスタート

  5. 内覧の対応をする

  6. 購入希望者と条件の交渉を行う

  7. 買主と売買契約を結ぶ

  8. 決済・引き渡しを行う

  9. 定申告を行う

事前に手順を把握しておくことで、段取りがわかりスムーズに売却を進めることができますので、しっかり頭に入れておくと安心です。

また、実家の売却を検討しているなら、早めの行動が大切です。不安や疑問に思うことがあれば、不動産会社に相談することをおすすめします。

弊社でも経験豊富なスタッフがサポートさせていただきますのでこちらのお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。

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