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土地売却の注意点|よくあるトラブルと業者選びのポイント

「親から土地を相続したけど、メンテナンスできないので売りたい」
「老後のことを考えて住み替えするので、今の土地を売ろうと思う」

相続や住み替えなどの理由で、土地を売却しようとお考えですね。

実は、土地の値段というのはタイミングでも大きく変わってしまうもの。

周辺の土地売買の動きや建設計画・開発計画などの影響を受けてしまうものなので、事前に情報をどれだけ集められるかが大切です。

トラブルを避け、できるだけ高く土地を売ることができるよう、しっかりと準備しておきたいものですね。

そこでこの記事では、土地売却にありがちなトラブルと、土地売却に関する注意点を「売却前」「売却中」「売却後」の、それぞれの段階ごとで解説していきます。

本記事のポイント

  • 土地売却でよくあるトラブルを知ることができる
  • 土地を売却する際の注意点を段階ごとに知ることができる
  • 失敗しない土地売却のコツを知ることができる
  • 土地を売却する相手や不動産会社の選び方を知ることができる

土地売却で後悔したり失敗したりすることのないよう、どうぞ最後までご覧ください。

1.土地売却でトラブルになりやすいケース

土地を売却しようと思う多くの方が、ごく最初の段階でつまづきやすいケースは、以下の3つのケースです。

  • 家屋が残っている
  • 相続した土地の名義人が自分になっていない
  • 登記上の面積と実際の面積が異なる

これらはすぐに手続きや判断をして、対処しなければいけないものです。

当てはまるケースがないか、どう対処するべきか、具体的に見ていきましょう。

1-1.家屋が残っている

売却しようと思っている土地に古い家屋が建っていると、解体費用がかかる場合があります

木造一戸建ての家屋の場合、築20年前後でその価格はほぼゼロになります。

そのため、築20年を超える一戸建てを売却するしようと、「古家付き土地」を売却することになるのです。

家屋のある土地を売却する際には、以下のどちらかを選択する必要があります。

  • 建物を解体して更地の状態にして売却する
  • 「古家付き土地」として売却する

それぞれ詳しく注意点を見ていきましょう。

1-1-1.家屋が残っている場合の注意点①:更地にして売却する

建物を解体する場合、家屋の解体費用がかかります。

解体費用の目安は、木造一戸建てで100万円前後見ておく必要があります。

さらに、更地にした場合は、税金が高くなるということにも注意が必要です。

土地に住宅用の建物がある場合とない場合では、固定資産税や都市計画税のかかり方が大きく異なります。

具体的には、住宅用の建物がある場合、土地の課税評価額が以下のように低く設定されるため、減税されるのです。

住宅用地に対する課税評価額の減税

住宅用地の大きさ

固定資産税

都市計画税

一戸あたり200㎡未満の住宅用家屋

価格の6分の1

価格の3分の1

一戸あたり200㎡以上の住宅用家屋

価格の3分の1

価格の3分の2

課税は毎年1月1日時点の土地・建物に対して行われるため、もしも更地の状態で年越しをしてしまうと、納めるべき税金が高額になってしまいます。

一方で、更地にすることで買主が付きやすいというメリットもあります。

以下に更地にした場合のメリットとデメリットをまとめましたのでご確認ください。

土地を更地にして売却する場合の注意点

メリット

デメリット

  • 土地を相場価格で売却できる
  • 買主が付きやすい
  • 売却までの間に駐車場などにして賃貸収入を得られる
  • 解体費用がかかる
  • 納税額が高くなる場合がある
  • 買主による家屋のリフォーム利用という選択肢がなくなる

1-1-2.家屋が残っている場合の注意点②:古家付き土地として売却する

家屋を残して「古家付き土地」として売却する場合、解体費用分の値引きを求められるケースが多いです。

買主が家屋にそのまま住んだり、リフォームなどして活用したりするのであれば問題ありませんが、純和風建築の古民家などの建物でない限り、家屋を活用をするケースはあまり多くはありません。

そのため、相場価格で土地を売却しようと思っても、多くの場合、解体費用分を値引きをしないと買主がつかないのです。

また、家屋を空き家のままで置いておくことにより、事件や犯罪などに巻き込まれてしまう危険が高くなります。

危険を回避するため、売却までの期間、家屋の掃除や草むしりなどの定期的なメンテナンスが必要になってきます。

一方で、家屋があることで当面の解体費や高額な税金はかかりません。

以下に家屋を残した場合のメリットとデメリットをまとめましたのでご確認ください。

家屋付きのまま売却する場合の注意点

メリット

デメリット

  • 解体費用を負担しなくて済む
  • 買主がそのまま住む場合は値引きが少なくて済む
  • 売却に時間がかかって税金が高くならない
  • 解体費用分の値引きを要求される場合がある
  • 買主が付きにくい
  • 空き家の管理コストがかかる

1-2.相続した土地の名義人が自分になっていない

親から相続した土地であっても、相続登記をして土地の名義人を変更しておかないと、土地を売却することはできません。

不動産を売却することができるのは、登記簿(登記事項証明書)にその不動産の所有者として記載されている名前の人物だけ。

相続をしただけだと、この登記簿の名義が変わっていないため、土地の売却ができないのです。

そのため、相続した土地を売却する前に、必ず相続登記という手続きを行います。

相続登記の手続きには、以下の書類が必要になります。

相続登記に必要な書類

□ 被相続人の戸籍謄本または除籍謄本
□ 相続人の戸籍謄抄本
□ 被相続人の本籍の記載のある住民票(除籍または戸籍の附票があるもの)の写し
□ 相続人の住民票の写し
□ 固定資産評価証明書
□ 遺産分割協議書や印鑑証明書(法定相続分以外で名義変更する場合)

登記手続きは自分で行うこともできますが、手間と時間がかかるため、司法書士または土地家屋調査士などに依頼するのが一般的です。

専門家に登記手続きを依頼する場合は、10万円前後の手数料がかかります。

1-3.登記上の面積よりも実測面積が小さい場合がある

古くから所有している土地では、不動産登記簿謄本に記載してある数字が正確でないことがあります。

登記簿に記載されている数値よりも実際の測量値がそもそも小さく、思っていたよりも売却額が少なくなってしまうというケースがあるのです。

土地は、区画変更や道路が新しくできるなどの影響を受けます。特に、古くから所有している土地においては、土地売却において重要な土地の面積が、不動産登記簿謄本よりも小さいという場合がよくあるのが実情です。

そのため、しっかりと測量を行って、現在の正確な数字を出す必要があります。

また、境界標線がなかったり、隣家の軒先が自分の敷地内に入り込んでいたりなど、それまで気付かなかった問題点が売却の際に出てきてしまうことも多いです。

境界標は作成と設置に数十万円かかることもありますが、隣地との境界を明確にして自分が売る土地の大きさを確定しておかないと、売り出しにかけることもできないのです。

なお、土地の用途やどれくらいの規模のものが建てられるかについての制限がある場合もあります。基本的には契約した不動産会社で調べてくれるものではありますが、思い違いを防ぐため、自分でも役所で確認しておいた方がいいでしょう。

2.【注意点】土地売却は事前準備が一番重要

土地を売却しようと思ったら、不動産会社を訪れる前に、やっておくべき準備があります。

それぞれの準備ごとに、注意しておくべき点を見ていきましょう。

2-1.必要な書類を集める際の注意点

土地売却を決めたら、まずは必要な書類を集めます。

必要になる書類は、おおよそ以下の一覧の通りです。

土地売却に必要な書類・資料

登記済権利書
または登記識別情報通知書

所有権取得の登記が完了した際に法務局から発行されるもの。
土地所有者の名義変更に必要

固定資産税納税通知書
または固定資産税評価証明書

当該年度現在の固定資産の評価額、課税標準額、所有者、所在等を証明する書類

地積測量図
または境界確認書

土地家屋調査士や測量士などの有資格者によって測量されたもの

建築確認済証

現在の家屋の建築計画が法の規定に適合していると確認された場合に交付されたもの

地盤調査報告書

現在の土地家屋の地盤調査をした時の記録

購入時の契約書
または重要事項説明書

現在の土地や家屋を購入した時の記録

住民票

発行から3カ月以内のもの。土地の住所と売主の現住所が異なる場合に必要

本人確認資料

運転免許証やパスポートなど

実印

売買契約時に必要。共有の場合は共有者全員分

印鑑証明書

発行から3カ月以内のもの。共有の場合は共有者全員分

古い土地の場合には図面や記録に残されたものと実際が異なる場合もありますので、計測や調査のし直しが必要になります。

基本的に早めに用意したいものではありますが、住民票や印鑑証明書など有効期限の決まっている書類もあるので、集める際には注意してください。

2-2.土地の相場を調べる際の注意点

売却したい土地の相場を自分で調べておきます。

相場を調べる方法は、下記の5種類があります。

名称

内容

調べ方

公示地価

国土交通省が毎年1月1日に発表する土地価格

国土交通省 標準地・基準地検索システム

基準地価

都道府県が毎年9月下旬に発表する、7月1日時点の土地価格

国土交通省 標準地・基準地検索システム

路線価

国税庁が毎年1月1日に発表する土地価格

国税庁 財産評価基準書 路線価図・評価倍率表

固定資産税評価額

市区町村が3年に1回発表する、前年の1月1日時点の価格

固定資産税評価額×0.7=取引額(相場)で算出する

実勢価格

実際に取引された土地価格。
国土交通省が実施するアンケートをもとにした全国の取引情報

国土交通省 土地総合情報システム

注意しておきたいのは、この中のひとつの相場価格だけを見て相場感を持ったり売却価格を決めてしまうのではなく、すべての方法で相場価格を調べることが重要だということです。

自分の中に幅を持たせた相場感を持っておき、「これくらいで売れるといいな」という期待値だけでなく、最低売却額も想定しておき、高い売却額を取るのか、早く売れることを望むのかの展望を立てます。

相場感や展望を持っておくことで、不動産会社による土地の査定時にも、提示された価格について比較しやすくなります。

2-3.不動産会社に土地の査定を依頼する際の注意点

書類の準備や情報収集がある程度整ってきたところで、不動産会社に土地の査定を依頼します。

土地の査定には、以下の2種類があります。

土地の査定方法

名称

内容

必要日数

簡易査定

インターネットなどで土地の住所や面積など必要最低限の情報を伝えて査定価格を提示してもらう。

1~2日程度

訪問査定

実際の土地を現地で調査してもらう。
土地が面する道路の状況や境界線、ガス・水道の配管状況、日照や周辺環境などを詳細に調べた上で査定価格を提示してもらう。

1週間前後

まずは手軽に頼める「簡易査定」を5社以上に頼みます。

簡易査定を依頼した不動産会社の中から、対応の良い会社や価格の妥当性が高いと思われる会社を3社程度に絞り込んでから「訪問査定」を依頼します。

ここで注意したいのは、査定価格には不動産会社の「受注したい気持ち」が含まれている場合があるということです。

不動産会社がどんなに高い査定価格を提示したとしても、実際にお金を出すのは買主です。

そのため、最終的な売却価格が査定価格を上回ることはまずありません。

自分で調べた土地の相場価格や、ほかの不動産会社の提示額と照らし合わせ、一方的な提示額の高さだけに飛びつかない心構えが必要です。

2-4.不動産会社との契約形態を選ぶ際の注意点

土地を売却するにあたり、買主との間で媒介者となってくれる不動産会社と、まずは媒介契約を結びます。

媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」という3種類の契約形態があり、それぞれ内容や不動産会社の義務が以下のように異なります。

制限

指定流通機構への
登録義務

業務処理状況の
報告義務

専属専任媒介契約

①他の不動産会社に重複して売却の依頼ができない
②依頼した不動産会社が探索した相手方以外の者と売買または交換の契約を締結することはできない

5営業日以内

1週間に1回以上

専任媒介契約

①他の不動産会社に重複して売却の依頼ができない
②自分で見つけた相手方となら不動産会社を通さずに売買契約を締結することができる

7営業日以内

2週間に1回以上

一般媒介契約

他の不動産会社にも重複して依頼することができる

登録義務なし
(任意)

報告義務なし
(任意)

不動産会社のネットワークである指定流通機構は、国土交通大臣によって認定されている、日本全国の物件情報の交換の場です。

土地を売却しようと思った場合、できるだけ広くに売却情報を知らせることができれば、その分買主が早く見つかりやすくなります。

そのため、指定流通機構に登録することが推奨されているのです。

ただし、一般媒介契約は複数の不動産会社と契約できるため、不動産会社が物件情報を指定流通機構に登録することを義務づけてはいません。

専属度や専任度が高いほど、不動産会社にとっては親身になるべき案件と言えるでしょう。

2-5.売り出し価格を決める際の注意点

不動産会を決めて媒介契約を結んだら、いよいよ物件の売り出し価格を決めます。

売り出し価格は、査定価格を参考に決めます。

査定価格は、不動産会社が「この価格なら売れるだろう」と判断して提示した金額です。

しかし、査定価格とまったく同価格である必要はありません。

できるだけ高く売りたい売主の気持ちや、買主による引き下げ交渉があることなどを考慮し、実際の売り出し価格は査定価格よりやや高めに設定することが多いです。

ただしあまり高く売り出すとなかなか買い手が見つからず、結局大幅に値下げすることにもなるので注意しましょう。

適正な売り出し価格は、売却までの希望期間やそのときの相場の動きにも影響を受けるものです。不動産会社と相談して、慎重に決めましょう。

3.土地売却にかかる費用

土地を売却するとなると、土地が「いくらで売れるのか」「いくら入ってくるのか」に気を取られてしまいがちですが、土地を売却するにも各種税金や費用がかかります。

中には譲渡所得税や測量・解体費用、仲介手数料のように、数十万円から100万円以上かかるものもあるので、どれくらい必要なのかを事前に確認しておきましょう。

土地の売却にかかる税金・費用

内訳

詳細

費用目安

解体費用

古い家屋を解体する費用

100万円前後。大きさによる

測量費用

地積測量図の作成で土地家屋調査士などに支払う費用

数十万円程度

仲介手数料

仲介した不動産会社に支払う手数料

売却価格×3%+6万円+消費税

印紙税

売買契約書に貼って納める税金

土地代金により1万~6万円程度

譲渡所得税

土地売却で利益が出た場合に支払う所得税と住民税

売却益の14~40%程度

繰り上げ返済手数料

残っているローンを一括返済する際に金融機関に支払う手数料

1万~3万円前後

登録免許税

ローンの抵当権を抹消するために支払う税金

1件1000円。
司法書士費用は別途1万円程度必要

土地売却でまとまった収入があるとしても、その前に大きな出費が必要になるケースもあるため、早い段階でキャッシュフローの計画を立てることが大切です。

4.失敗しない土地売却の5つのコツ

土地を売却する前に準備しておくべきこととそれぞれの注意点を詳しく見てきましたが、ここでは土地を売り出しにかけている間も合わせて、土地売却において失敗しないためのコツをまとめてご紹介していきます。

土地売却で失敗しないためのコツは、以下の5つです。

  • 自分でも相場を調べておく
  • 査定前に測量図を準備する
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する
  • 信頼できる不動産会社を選ぶ
  • 土地をできるだけきれいな状態に保つ

これらのコツを押さえることで、土地売却に実際にどう影響するのか、具体的に見ていきましょう。

4-1.失敗しない土地売却のコツ①:自分でも相場を調べておく

2-2.土地の相場を調べる際の注意点でもお伝えしましたが、売りたい土地の相場がどれくらいなのかは、自分でも調べておくことが大切です。

自分で相場を調べて把握しておくことの第一のメリットは、不動産会社から出される査定価格についての冷静な判断ができること。

相場よりもはるかに高い額を提示してくる業者は「受注したい気持ち」が大きいという場合もあります。

実際の土地の売却額は、不動産会社の提示額がいくらであろうと「買い手がいくら出すか」でしかないのです。

高い査定価格に飛びついてしまわないよう、提示額に正当性があるかを見定めます。

また、事前にどれくらいの売却益や売却損が出るかを知っておくことができる、更地にするか古家付き土地として売るかの目安も立てられるでしょう。

4-2.失敗しない土地売却のコツ②:査定前に測量図を準備する

簡易査定の段階でも、できるだけ正確な数字を手に入れるため、測量図などは早めに用意しておくことが大切です。

隣地との「境界標」がない場合は、土地家屋調査士に作成や設置を依頼します。この手続きには数カ月の期間と数十万円の費用がかかることが多いため、早めの準備が必要です。

4-3.失敗しない土地売却のコツ③:複数の会社に査定を依頼する

簡易査定も訪問査定も、必ず複数の不動産会社に依頼してください。

具体的には、簡易査定で5社以上、訪問査定でも3社以上の不動産会社を比較検討してください。

実は不動産会社によって、得意な物件やエリアというものがあるものです。

提示された価格については、なぜその価格になるのかの根拠も合わせて聞いておくことが大切です。

ちょうど土地を探している人がいるとか、たまたま売ろうと思っている土地の周辺で同じような物件を持っているとか、そういったタイミングも大きく関係してきます。

単純に価格だけで比較せず、質問したことにしっかりと答えてくれないところを省くといった毅然とした姿勢で複数の不動産会社にあたりましょう。

4-4.失敗しない土地売却のコツ④:信頼できる不動産会社を選ぶ

査定価格はもちろん大切ですが、土地売却の際には、何よりも信頼できる担当者のいる不動産会社を選びましょう。

少しだけ人聞きの悪いことを言うと、不動産会社にとって、たったひとつの土地を売却したらその地域からいなくなってしまう売主よりも、お金を払ってその土地を買って住むことになる買主の方が、長い付き合いになる相手と言えます。

不動産会社の中には、そうした理由から、お金を払ってくれる買主の方にばかり向いてしまう担当者が少なからずいるものです。

質問した際の返答の早さ、言葉遣いの丁寧さといった基本的なところに、人間性は現れるものです。

必ず担当者の対応に信頼のできる不動産会社を選ぶようにしてください。

4-5.失敗しない土地売却のコツ⑤:土地をできるだけきれいな状態に保つ

土地売却に時間がかかるほど、売りたい土地は荒れていくものです。

更地であれば雑草が生えたり、ゴミの投げ捨てをされてしまうこともあります。

できるだけ定期的に見回りをし、土地をきれいな状態に保つことで、買主になりたいと訪れた人の心象を良くすることができます。

特に、古家付き土地の場合は、空き家が事件や犯罪に巻き込まれてしまうと、その土地だけでなく近隣周辺の不動産価値も下げてしまいかねません

売ろうとしていた土地であっても売却が済んでいない以上、名義人にはその土地の管理責任を問われる場合もあるのです。

すでにその土地を離れて遠くにいる場合は、管理してくれる人をしっかりと手配しておくことも大切です。

5.おすすめは地域密着型の不動産業者

土地を売る際に、買主との間に入ってくれる不動産会社選びは、とても重要になります。

以下の3点を備えている不動産会社であれば、安心して土地の売却を任せることができるでしょう。

  • 地場業者であること
  • 実績が豊富にあること
  • 担当者の対応が信頼できること

それぞれ具体的に内容を見ていきましょう。

5-1.地場業者であること

不動産業界では、基本的な情報はどの不動産会社でも共通して持っています。

そのため、どれだけ細かい地域情報を持っているかこそが、大きな差別化ポイントになるのです。

地盤や細かい災害情報、未発表の開発計画、地域の地主の動向といった地域情報に精通している不動産会社であれば、土地を適正に査定することができますし、売れるまでの期間も短く済むことが多いです。

また、買主の立場から見ても、ざっくりとした情報しか持っていない大手不動産会社よりも、より細かい地域情報を持っている不動産会社を頼りたいもの。

売り手と買い手のニーズを両方叶えることができるのは、地元密着型の地場業者ならではと言えます。

5-2.実績が豊富にあること

土地の売り買いというと、多くの人は一生に1~2回しか経験しないものですが、だからこそ多くの方が口コミや紹介をきっかけに不動産会社を訪れます。

実績の多い不動産会社というのはつまり、「気持ちの良い取引ができた」「親身になってくれた」という体験をベースにした紹介が多い不動産会社なのです。

実は、不動産会社の数は、コンビニエンスストアの数よりも多いと言われています。

もちろん、中には登録だけして実態のないところもありますが、それだけ多くの不動産会社がある中で、取引が集まり実績が豊富であるということは、安心して任せることのできる不動産会社と言えるでしょう。

5-3.担当者の対応が信頼できること

4-4.失敗しない土地売却のコツ④:信頼できる不動産会社を選ぶでもお伝えしましたが、必ず担当者の対応が信頼のできるところを選びましょう。

具体的には、以下のような担当者が理想です。

  • レスポンスが早い
  • フットワークが軽い
  • 言葉遣いが丁寧
  • 身だしなみに清潔感がある
  • しっかりと目を見て話す
  • 質問したことにしっかりと答える

社会人として当たり前の要素と言えるかもしれませんが、その当たり前を備えていない担当者がいるのも事実です。

ほんの少しでも違和感や不快感を覚える担当者のいる不動産会社は組織全体を疑い、避けるのが賢明です。

あなたの話をしっかりと聞いて親身になってくれる担当者のいる不動産会社を選ぶようにしてください。

まとめ

今回は、土地売却の際の注意点についてお伝えしました。

お伝えした内容をまとめて見ていきましょう。

土地売却をしようと思った段階で、トラブルになりやすいケースは以下の通りです。

土地売却でトラブルになりやすいケース

□家屋が残っている
□相続した土地の名義人が自分になっていない
□登記上の面積と実測面積が異なる

土地売却においては、以下のそれぞれの段階ごとに注意点があります。

土地売却前の注意点

必要書類を集める

・計測や調査のし直しが必要になる
住民票や印鑑証明書など有効期限の決まっている書類もある

土地の相場を調べる

不動産会社に任せないで自分で調べるべき

土地の査定を依頼する

・複数の不動産会社に依頼する
・査定価格の高さに飛びつかない

不動産会社と契約する

専属度や専任度が高いほど、不動産会社は親身になる

売り出し価格を決める

・高いと売却までに時間がかかる
・安いとすぐに売れる可能性が高くなる

土地や家屋の
メンテナンスをする

・買い手の心象を良くする
・事件や犯罪に巻き込まれる可能性を防ぐ

土地の売却で失敗や後悔をしないよう、これらの注意点をしっかり踏まえて、計画的に進めてください。

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