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築2年の一戸建てを確実に高値で売却するための5つの方法を解説

築2年の一戸建ての売却を検討している方の中には、「まだ築2年だし、新築と同じくらいの価格で売れるのでは?」とお考えの方もいるでしょう。
しかし、築2年であっても、購入価格より売却価格が安くなってしまうのは避けられません。
なぜなら、築2年の一戸建ては「新築物件」ではなく「中古物件」に分類されてしまうからです。

できるだけ高値で売るためには、売り出す前の準備が重要です
高値で売るためのポイントや流れを抑えておくことで、安く売却して損をしてしまったり、高い価格で売り出してしまい売れ残ることを防ぐことができます。

そこで今回は、
「築2年の一戸建てを高値で売るにはどうすべき?」
「一戸建ての売却はどうしたらいいのかわからない」
このようにお悩み方のために、以下のことを解説します。

  • 築2年の一戸建ての売却相場
  • 築2年の一戸建ての売却理由の重要性と伝え方
  • 高値で売却するためのポイント
  • 売却までの流れ
  • 一戸建て売却時にかかる費用

築2年の一戸建てを高値で売りたいと考えている方は、この記事で売却するためにどのように行動すべきかが理解できますので、ぜひ最後までお読みください。

1.築2年の一戸建てはいくらで売却できる?

築2年の一戸建ては築年数が浅く、売主からすれば「購入したばかりの家」という感覚ではないでしょうか。そのため、「新築とほぼ変わらない値段で売れるのでは?」と考える人もいるでしょう。

しかし、冒頭でお伝えした通り、築2年であっても新築ではなく中古物件扱いとなるため、新築と同額で売却することは難しいのです。

では、築2年の一戸建ての売却相場と、2年しか経っていない一戸建てがなぜ値下がりするのか理由を見ていきましょう。

1-1.築2年の一戸建ての売却相場は購入時の約90%

一戸建ての住宅は、新築で入居してから築10年ごろまでの資産価値の下落率が大きく、50%ほどまで下がり続けます。
一部の都心などを除けば、築2年しか経っていなくても新築と同じような値段で売却することはできません。

出典:中古住宅流通、リフォーム市場の現状

このグラフからわかる通り、築2年の場合は資産価値が約10%下がってしまいます
つまり、3,000万円で購入した一戸建てであれば、築2年の時点で約2,700万円まで資産価値が下がっているということです。
そのため、売却相場は購入価格の90%ほどの価格が目安と言えるでしょう。

1-2.築2年の一戸建てが10%値下がりする理由

なぜたった2年しか経っていないのに、10%も値下がりしてしまうのでしょうか。
それは、築2年の物件が築浅物件扱いになることと、新築というプレミアム感が無くなってしまうことが原因なのです。

1-2-1.築2年の一戸建ては「新築物件」ではなく「築浅物件」

新築物件の定義とは、

  • 竣工後一年未満
  • 未使用の状態

この2点で、これらを満たしていなければ新築と呼ぶことはできません。

築2年の一戸建ての場合、どちらの条件も満たしていないため、「築浅物件」に分類されます。

しかし、いくら築浅であっても「中古物件」には変わりありません。
不動産は人が住んだ瞬間に市場価値が大きく下がると言われており、新築か築浅かの違いは非常に大きいのです。

1-2-2.人が住むと新築というプレミアム感がなくなる

株式会社リクルート住まいカンパニーが2019年に行った「『住宅購入・建築検討者』調査」によると、「家を購入するなら、新築を選びたいか、中古を選びたいか」という質問では、中古派の8%に対して、新築派69%という結果となりました。

日本人は「中古」よりも「新品」を好む傾向があり、この結果から、住宅も「新築」であることを重視している人が多数派であることがわかります。
築2年でも築1ヶ月でも、人が住んだ時点で「中古物件」となってしまうため、「新築」というプレミアム感はなくなってしまうのです。

1-3.築2年の一戸建ては買主にとって高くつく可能性がある

築2年の一戸建ては、築年数が浅く痛みの少ない物件を新築よりも割安で購入できるため、売主からすると「買主にとってお得な物件」に思えるでしょう。

新築物件を購入した場合、固定資産税の軽減措置や瑕疵担保責任が10年間適用されるといったメリットを受けられます。
しかし、中古物件の場合は、

  • 固定資産税の軽減措置が適用されない
  • 仲介手数料がかかる(不動産会社が仲介する場合)
  • 瑕疵担保責任の期間が短くなる

このように、買主は新築物件にはない負担をしなければならず、必ずしもお買い得とは言えない場合もあるのです。

中古物件を購入する場合の買主のデメリットを知らないと、“新築を購入した方がお得な価格設定”にしてしまう可能性もありますので、買主が中古物件を購入する場合の負担も考慮しなければなりません。

1-3-1.固定資産税の軽減措置が適用されない

固定資産税は毎年負担が大きいことは、一戸建てにお住まいであればご存じでしょう。
新築と中古では購入から3~5年は、固定資産税の出費額が大きく異なります。

なぜなら、2022年3月31日までに建てられた「新築一戸建て」の場合、固定資産税の軽減措置が適用されるため、固定資産税が3年間半額、長期優良住宅であれば5年間半額となるからです。
新築や築浅物件は固定資産評価額がまだ高いため、固定資産税の軽減措置があるかどうかで、3~5年間の出費に大きく影響してしまうということ。

固定資産税の計算方法は以下の通りです。

例えば、固定資産評価額が3,000万円の一戸建てなら、

【 3000万円 × 1.4% = 42万円 】

となるため、固定資産税額は420,000円ですので、最初の3年間、もしくは5年間が半額の210,000円となります。
つまり、新築と比べると最低でも630,000円も多く固定資産税を支払わなければならないということです。

中古物件の場合は築浅であろうと、固定資産税の軽減税率適用されません
新築と比べて、買主の固定資産税分の支払いがどのくらい高くなるのかも把握しておきましょう。

1-3-2.不動産会社が仲介している場合は仲介手数料がかかる

不動産会社が仲介している中古物件を購入した場合、売主と買主のどちらも仲介手数料を支払う必要があります。

なぜ、新築の場合は仲介手数料が必要ないかというと、デベロッパー(土地開発業者)やハウスメーカーなどの売主が直接販売活動を行うことが多く、不動産会社が仲介をしていないからです。

不動産会社が受け取ることができる仲介手数料は、宅地建物取引業法により以下のように上限が定められています。

仲介手数料の上限額は、400万円を超えたら購入金額の3%になるというわけではなく、それぞれの金額区分ごとに計算します。

例えば、購入価格が3,000万円だった場合は、

①200万円以下の金額

200万円 × 5% = 10万円

②200万円を超え400万円以下の金額

200万円 × 4% = 8万円

③400万円を超える金額

2,600万円 × 3% = 78万円

このようにそれぞれを計算し、仲介手数料は【①+②+③=96万円】に消費税を足したものが上限額となるのです。

上記の計算は複雑なので、
【仲介手数料 =( 購入価格 × 3% + 6万円 )+ 消費税 】
という簡易計算でも、おおよその上限額を計算することが可能です。

このように仲介会社を通した場合、前項でご説明した固定資産税の軽減措置がなくなるだけでなく、仲介手数料も必要となります。

築2年の一戸建ては築浅物件のため大きく値下がりしておらず、新築より割安で購入しても、トータルで考えると新築とほとんど変わらない金額が必要になることもあるのです。

1-3-3.瑕疵担保責任の期間が短くなる

瑕疵担保責任とは住宅に欠陥(瑕疵)があった場合、売主が補修や賠償をしたり、場合によっては契約を取り消すことができるものです。

新築住宅では瑕疵担保責任の期間が、引き渡しから10年間設けられていますが、中古物件の場合は最低2年間となります

2年以上住んでから欠陥に気付いた場合、瑕疵担保責任の期間が過ぎていると自己負担で修繕などの対処をしなければならないので、買主にとって期間の短さはデメリットといえるでしょう。

2.築2年の一戸建ては売却理由を明確にするのが重要

中古住宅の場合、売主には必ずその家を手放す「売却理由」があります。
特に築2年の一戸建てのような、あまり年月が経っていない物件の場合、購入希望者は短い間しか住んでいない家を売却する理由に疑問を持つでしょう。

売却理由をはっきりさせておくことで購入希望者に安心感をあたえられるため、売却理由は重要になるのです。

2-1.購入希望者の不安を払拭する必要がある

内覧をしたいと思った一戸建てが築2年だった場合、あなたならどう思いますか?
多くの人は、
「せっかく購入したマイホームを、なぜたった2年で売却するのだろう」
「家や近隣に欠点があるのでは?」
と感じるのではないでしょうか。

一戸建ての購入は一生モノの買い物となるため、そのような不安があれば購入をためらってしまいますよね。
そんな購入希望者の不安を払拭するためにも、売却理由は明確にしておくべきなのです。

売却理由には、ポジティブな理由とネガティブな理由があり、築2年の一戸建てを売却する場合に考えられる売却理由は、以下のようなものがあります。

ポジティブな理由なら、はっきりと売却理由を伝えて購入希望者を安心させてあげましょう。
では、ネガティブな理由の場合の伝え方はどうすべきなのかをご説明します。

2-2.ネガティブな理由の場合は伝え方を工夫する

ネガティブな理由の中でも、

  • 離婚する
  • 住宅ローンの支払いが苦しい

この2つであれば、家自体に問題があるわけではありません。

しかし、そのまま購入希望者に伝えてもネガティブに捉えられることはことは少ないかもしれませんが、ストレートに伝えるのはややためらわれる理由です。
また、離婚が理由の場合は、購入希望者が新婚夫婦である場合など「縁起が悪い」と捉えられてしまう可能性も考えられます。

そんな時は、理由を遠回しな表現にして、

このように言い換えれば、購入希望者がネガティブな印象を受けることはないでしょう。

次に、家の造りに不満がある場合は、「住みにくい家なのでは」という印象を持たれてしまう可能性があり、そのまま伝えるのは良くありません。
売主の個人的な売却理由は、必ずしもすべてを包み隠さず伝えなくてはならないわけではありません
購入希望者がマイナスな印象を抱かないように、言い方を工夫してみてください。

家の造りに不満があり売却するとしても、転居先は子供の通学に便利な場所にするなど、何かしら考慮して選んでいるはず。
そんな時は「子供の通学しやすい場所に転居する」を理由にしても大丈夫です。

近隣トラブルが売却理由の場合、売主が個人的にトラブルになった程度であれば、わざわざ伝える必要はありません。
転居先を選んだ時の基準など、無難な売却理由を伝えましょう。

ただし、隣人が騒音や悪臭などで周囲と近隣トラブルを起こしている場合は、その事実を隠してしまうと後に問題になる可能性があります。
そのような場合は、まず不動産会社に売却理由を話して、購入希望者への伝え方をどうすべきか相談してみてください。

自分にとっては耐え難い騒音も、他の人には気にならない程度であったり、近隣トラブルは人によって感じ方も異なります。
相談しておくことで第三者の意見を聞くことができ、どの程度伝えるべきかのアドバイスをしてもらえるでしょう。

2-3.告知義務のある売却理由は絶対に隠してはいけない

告知義務のある売却理由には大きく分けて

  • 物理的瑕疵…建物自体に発生する瑕疵
  • 法律的瑕疵…法的に問題を有する瑕疵
  • 心理的瑕疵…買主が心理的に「嫌だ・怖い」といったような抵抗を感じる可能性が ある瑕疵
  • 環境的瑕疵…周辺環境によって生じる瑕疵

この4つに分類することができます。
瑕疵(かし)とは欠点のことをいい、その物件に住んだ時に買主に害がある欠点は告知しておかなければいけないのです。

告知義務があるような売却理由の場合、「事実を伝えると、売れなくなるのでは?」という不安から、売却理由をごまかしたり、隠しておきたくなってしまいます。
しかし、告知義務のある事実を隠したまま売却した場合、買主から契約解除や損害賠償請求をされてしまう可能性があるため、事実を隠さず伝えなくてはいけません。

瑕疵がある分は値下げをするなど、不動産会社にどう対応すべきか相談してみましょう。

3.築2年の一戸建てを残債少なく高値で売却する5つのポイント

築2年の一戸建てをローンで購入している場合、まだ多くの残債が残っている状態です。
少しでも高値で売りたいと考えているのであれば、以下のことをやりましょう。

  • 可能な限り早く売りに出す
  • 売却で適正な価格を調べる
  • 一戸建ての売却が得意な不動産会社を選ぶ
  • 売りに出す前に空き家にする
  • 家の中を徹底的に片づける

では、これらをひとつずつご説明していきます。

3-1.可能な限り早く売りに出す

前述した通り、築10年まで一戸建ての資産価値は下落しやすいため、可能な限り早く売りに出すことは高値で売るための大前提と言えます。
売却しようと決めたらすぐに行動を始めましょう。

出典:中古住宅流通、リフォーム市場の現状

売却を迷ったまま時間が経過して築3年になってしまうと、上記のグラフでわかる通り築2年の時よりも5%以上資産価値が下がってしまう可能性があります

3,000万円の物件であれば、築2年で売却するより150万円以上値下がりしてしまうということです。

築浅物件を高く売却するためには、急いで行動しなければなりません。

3-2.適正な売却価格を調べる

売出し価格が重要であることは、ご存知の方が多いでしょう。
売り出し価格は安すぎれば損をしてしまい、高すぎれば売れ残るため、売却までに時間がかかるだけでなく最終的に値下げをしなくてはならなくなってしまいます。

適正な価格を設定するためにも、不動産会社に査定してもらう前に、売却したい物件と近い条件の一戸建てがいくらで売買されているか確認しておきましょう。
適正な価格がわかれば、査定価格が相場と合っているかの判断材料にもなるため、損をしてしまうリスクを減らすことができます。

相場を調べるためには、不動産流通機構・レインズが運営するレインズマーケットインフォメーションというデータベースサイトから検索してみてください。

出典:レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットは、

  • 直近1年の不動産取引事例が確認できる
  • 過去2年間の市場の動きをグラフで見ることができる

このような特徴があります。
実際の売買の情報と市場の動きを確認することで、売却したい物件の価値を確認することが可能です。

ただし、レインズマーケットの価格は、「実際に取引された価格」ですので、売り出し時の価格ではないことを覚えておいてください。
実際の売り出し価格は、レインズマーケットで表示される価格よりも15~30%ほど高くなると考えておきましょう。

3-3.一戸建ての売却が得意な不動産会社を選ぶ

一戸建てを高値で売却したい場合は、一戸建ての売却が得意な不動産会社を選ぶ必要があります。

なぜなら、

  • 一戸建てがメイン
  • マンションがメイン

といったように不動産会社にも得意分野があるため、一戸建てを得意とする会社を選べば、どのようにすれば一戸建てが売れるかといったノウハウや専門知識を持っているからです。

しかし不動産会社は数多くあり、どの会社を選べばいいかわからないという方が多いのではないでしょうか。

不動産会社を選ぶポイントは3つあります。

  • 一括査定で複数の会社から査定をしてもらう
  • 不動産会社の取引実績を確認する
  • 査定価格の根拠を確認する

では、これらを1つずつご説明していきます。

3-3-1.一括査定で複数の会社から査定をしてもらう

不動産会社によって査定額が異なるため、一社にしか査定を依頼しない場合、適正な査定額を出してもらえず損をしてしまったり、信頼できる業者ではない可能性があります
また、1社ずつ査定依頼をするのは何度も同じ情報を入力しなくてはならず、非常に手間がかかります。

一括査定なら、一度の入力で複数社に査定依頼をできるので、複数社への査定依頼を1度に済ませることができるので、査定の際は一括査定を利用しましょう。

一括査定は、以下の手順で行います。

一括査定を行う際に、物件の詳細な情報がわからない場合は、大体の情報でも問題ありません。
不動産会社から連絡が来たら、その中から訪問査定を依頼する不動産会社を選びましょう。

一括査定をする場合は、当サイトを運営しているホームセレクトの無料サービス「複数いっかつ査定」をご利用ください。

3-3-2.不動産会社の実績を確認する

一括査定で不動産会社を選択する際に、重要なのは不動産会社ごとの「過去の取引実績」です。
一戸建ての売却実績が多い不動産会社を選ぶようにしましょう。

なぜなら、取引実績が多ければそれだけ一戸建ての売却に慣れているため、どのようにすれば売れるかといったノウハウを持っているからです。

事前に取引実績を不動産会社に確認してみましょう。

3-3-3.査定価格の根拠を説明してもらう

複数社に訪問査定をしてもらうと、それぞれ査定額が異なりどの不動産会社を選ぶべきなのか迷うこともあるでしょう。

高く売りたいなら、もっとも高い査定価格の不動産会社を選びたくなると思いますが、査定価格だけで不動産会社を選んではいけません。
物件は、不動産会社が提示した査定価格で買い取ってくれる訳ではないため、適正な金額で売り出さなければ売れ残ってしまいます
売れ残れば売却に時間がかかり、築年数も経過してしまうだけでなく、最終的には値下げをすることになってしまうでしょう。

契約を取りたいがために高い査定価格を提示しておいて、売れなかった場合に値下げをさせる不動産会社もいないとは言えません。

ただし、査定価格が高めな不動産会社がすべて信用できないのかといえば、そうではありません。
適正に査定されているのであれば、なぜその査定価格になったのか理由があるはず。

不動産会社を見極めるには、なぜそのような査定価格になったのか「根拠」を確認してください
他より高い査定価格で売れると考えている不動産会社であれば、その理由を教えてくれるでしょう。
査定の根拠がはっきりしない不動産会社は、仲介を任せるべきではありません。

査定価格の高さだけで不動産会社を判断すると、かえって損をしてしまう可能性がありますので、不動産会社選びは慎重に行いましょう。

3-4.可能なら空き家にして売却活動をおこなう

あなたが中古物件の購入を考えているとして、内覧に行った家の中が生活感にあふれ、ごちゃごちゃとしていたらどのように感じるでしょうか。
自分たちがその家で生活をするイメージが湧かず、ガッカリとした気分になると思いませんか?

反対に、家の中に生活感が無く、あれこれとイメージが膨らむような内覧にすることができれば、購入希望者の購入意欲を高められるということです。

生活感を無くすのであれば、空き家にするのがベスト。
空き家にすることで、家の細部までチェックしてもらうことができ、内覧の予定に合わせて行動する必要もなくなります。

購入希望者も内覧をするのに売主と予定を合わせる必要がないので、必然的に内覧の件数も増やすことができ、売却までの時間短縮にも繋がるでしょう。

空き家で売り出す時の注意点

空き家にしておくメリットは大きいのですが、家賃やローンの支払いが二重になるというデメリットもあります。
売却活動が長引けば、生活に影響が出てしまう可能性もあるでしょう。
空き家にするかどうかは、不動産会社と相談して慎重に決めるようにしてください。

3-5.空き家にしない場合は片付けを徹底する

前項でご説明した通り、空き家にすることは大きなメリットがありますが、空き家にすることが難しいという方も多いでしょう。

空き家にできない場合は片付けを徹底し、生活感を減らして清潔感や広さを演出してください。
可能な限り、モデルルームのような「こんなところに住みたい!」と感じられるような空間を目指しましょう。

とはいえ、一戸建てに2年ほど住んでいればそれなりに物が増えているはず。
物が収納に片付けきれないということもあるでしょう。
そのような場合は、売却活動の間だけトランクルームを借りて片付けきれない物をしまっておくと、部屋をスッキリと片付けることができますよ。

では、内覧で特にチェックされやすいのはどんなところかをご説明します。

3-5-1.玄関

内覧の第一印象を決めるのが玄関。
玄関に靴があふれてごちゃごちゃとしていたら、購入希望者は中に入るのもためらってしまうでしょう。

靴はすべて片付け、余計なものは置かずに広く見せることが大切。

たたきは綺麗に掃いておき、硬く絞った布で拭いておきましょう。
落ちにくい汚れは中性洗剤を使うと落としやすくなります。

3-5-2.バスルームなどの水回り

バスルームやトイレなどの水回りは、特に念入りに確認する人が多い場所。

ピンクぬめりやカビ、水垢などはしっかりと落としておきましょう。
自分では落としきれない場合は、水回りだけハウスクリーニングを依頼するのもおすすめです。

3-5-3.キッチン

キッチンも細かくチェックされるポイント。

使いやすいように出しっぱなしにしている器具などがあれば片付けておき、物は出来るだけ収納にしまって広く見せましょう。
コンロやシンクも磨き上げてください。

3-5-4.リビング

リビングは家族で過ごすスペースになるため、広さを強調しましょう。

物をできるだけ置かないようにして、床が広く見えるようにしてください。
内覧の際はカーテンを開けて部屋の中を明るく見せましょう。

3-5-5.ベランダやバルコニー

内覧ではベランダやバルコニーもチェックされます。

キレイに見えるように掃き掃除、拭き掃除をしておきましょう。
窓や窓枠の掃除も忘れずにしてください。

4.築2年の一戸建て売却までの流れ

一戸建てを売却しようと思っても、「何をどうすればいいのかわからない…」という方は多いでしょう。
流れが頭に入っていないと、転居先に引っ越すタイミングなどを決める際に困ってしまうので、まず最初に理解をしておいてください。

売却する場合の大まかな流れは以下の通りです。

早くても3ヶ月弱は必要であることがわかります。
これはおおよそのスケジュールとなりますので、6ヶ月はかかると考えておいた方がいいでしょう。

では、それぞれの工程について、詳しく見ていきましょう。

4-1.情報収集・事前準備

まずはじめに、売りたい物件はどのくらいで売れるのか情報収集をしましょう。

3-1.不動産売買のデータベースを確認」でご紹介した通り、レインズマーケットで売りたい物件に近い地域や沿線、物件の条件で絞り込んで相場を調べてみましょう。
売り出し価格ではなく、実際に取引されている価格なので、最終的にどのくらいで売却できるのかが把握できます。

また、売却の際にさまざまな書類が必要となるので、準備をしておきましょう。
必ず必要となる書類は以下の通り。

  • 身分証明書
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 登記済権利証もしくは登記識別情報
  • 間取り図、測量図
  • 固定資産税納税通知書

この6点は、前もって揃えておきましょう。

4-2.一括査定

一括査定で、複数の不動産会社に物件を査定してもらいましょう。
実際に家を見てもらう「訪問査定」を依頼して、査定結果が揃ったら不動産会社を選びます。
担当者の対応や査定価格の根拠などを確認しながら、どの不動産会社に仲介を依頼するか決めましょう。

4-3.媒介契約を結ぶ

媒介契約は、不動産会社に売却を依頼した場合に売主と不動産会社が結ぶ契約で、売買の条件を整理し、後にトラブルになることを防ぐためのものです。

あらためて査定価格についての説明を受け、売主の希望や売却物件周辺の相場情報を加味して売り出し価格を決定します。

媒介契約の内容に納得できたら、媒介契約を結びましょう。

4-4.物件を売り出す

不動産会社が仲介として、物件の売却活動を開始。
売却活動は基本的に不動産会社が主導して進めるため、売主は購入希望者が内覧に来るのを待ちます。

内覧後に購入希望者に購入の意思があれば売却条件の交渉を行い、双方が合意したら売買契約を結びましょう。

売買契約を結ぶと、買主から手付金の入金があるため、手付金から仲介手数料の半額を支払います。

4-5.引き渡し

売却活動が終了したら、決済や引き渡しを行います。

買主の住宅ローン審査があるため、売買契約から1ヶ月ほど期間を空けてから決済が行われるのが一般的です。
買主から手付金を差し引いた売買代金の残額の支払いがあるため、そこから仲介手数料の残額を支払います。

売却物件に住宅ローン残債がある場合は、住宅ローンの返済して物件の抵当権の抹消し、所有権移転の登記申請を行いましょう。

決済完了後引き渡しを行いますが、引き渡しの際に現地で物件の状態などの最終確認が行われることもあります。

売却の流れを説明しましたが、より詳しく流れを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
家を売る手順を図解でわかりやすく解説!初めての売却でも損しない方法

5.一戸建てを売却する時にかかる費用

一戸建ての売却には、以下のような費用がかかります。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登記費用
  • 住宅ローンの一括返済手数料
  • 引越し費用

これらの費用が発生するタイミングは違うため、いつ・何に・いくら必要なのかを把握していないと、予想以上の出費となってしまう可能性があります。

売却に必要な費用と、支払うタイミングについてご説明しますので、覚えておきましょう。

5-1.仲介手数料

仲介手数料は、不動産会社に仲介を依頼した場合に、売主と買主が不動産会社に支払います。
1-3-2.不動産会社が仲介している場合は仲介手数料がかかる」でご説明した通り、
【仲介手数料 =( 購入価格 × 3% + 6万円 )+ 消費税 】
この計算によっておおよその上限額を確認することが可能です。

仲介手数料の支払いは、買主と売買契約を結び手付金を受け取ったタイミングで半額を支払い、残りの半額は手付金を差し引いた売買代金を受け取ったタイミングで支払うパターンがほとんど。
しかし、売買契約が結ばれた時点で不動産会社に100%の請求権が発生するため、売買契約直後に全額請求されても違法ではありません。

仲介手数料の支払いタイミングについて、不動産屋に確認しておくといいでしょう。

5-2.印紙税

売買契約書には、売買価格に応じた印紙を貼る必要があります。
印紙を貼ることで、税金を納めたことになるのです。

売買契約書の印紙税は、2022年3月31日まで軽減税率が適用され、以下のような税額となります。

売買価格が3,000万円だったとすると、「1,000万円を超え5,000万円以下」に当てはまるため、1万円の印紙が必要になるということです。

5-3.登記費用

登記関係の手続きは司法書士に依頼するのが一般的。
抵当権の抹消や所有権移転登録などの「登録免許税」と司法書士への報酬を合わせた金額が登記費用です。

登記費用は5千〜2万円ほど見ておきましょう。
登記費用の支払いは、引き渡しの決済時です。

5-4.住宅ローン一括返済手数料

売却物件を住宅ローンで購入していた場合、残債を一括で返済しなければなりません。
住宅ローンを一括返済する場合、銀行によって手数料がかかることも

返済方法は、

  • 窓口
  • 店頭テレビ電話
  • 電話
  • インターネット

これら4パターンがあり、住宅ローンの金利タイプと、どのように返済するかによって金額が変わることがあります。

手数料が必要な場合、金額は5千円〜3万円ほどです。

5-5.引っ越し代

物件を売却する場合、引っ越しをしなくてはなりません。
そのため、物件の売り出し前か売却が決まったあたりで引っ越し代がかかることを頭に入れておきましょう。
引っ越しの期日は売買代金の決済日前日までです

引っ越しの費用は、3〜4月の引越し業者繁忙期の場合、やや割高になります。
3〜4人家族なら、同じ市内など近場に引っ越す場合でも、8〜10万円は必要です。
遠距離に引っ越す場合は30万円ほどかかることもあります。

6.まとめ

築2年の一戸建てを高値で売却するために大切なことは以下の通りです。

  • 売却相場を調べる
  • 売却理由を明確にする
  • 一括査定をして安心して任せられる不動産会社を選ぶ
  • できる限り早く売りに出す
  • 内覧のために空き家にする、もしくは片付けを徹底する
  • 売却の流れを覚える
  • 一戸建て売却時にかかる費用を把握する

築2年の一戸建ては「築浅物件」となるので、簡単に高値で売れそうな気がしますが、実際は購入時から10%ほど値下がりしてしまうことがほとんど。

また、買主にとってもそこまで値下がりしていない築浅物件は、固定資産税の軽減措置が適用されなかったり、不動産会社が仲介している場合は仲介手数料がかかるため、売り出し価格によっては総額が新築より高くつく可能性もあります。
買主にとっての中古物件のデメリットを知ることで、売り出し価格を高額に設定して売れ残ってしまうリスクを下げられるでしょう。

レインズマーケットを使って地域や路線などから詳しい売却相場を調べておき、一括査定を行います。
いくつかの不動産会社に訪問査定をしてもらい、自分が調べた売却相場と、不動産会社の提示する査定の根拠を基に、不動産会社を選びましょう。

内覧のために空き家にできない場合は、清潔感や広さを演出できるように、片付けを徹底してください。

一戸建てを売却する場合、仲介手数料の支払いなど、さまざまなポイントで費用が発生します。
支払いが必要な費用の種類や金額は、早めに確認しておきましょう。

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